学童期の発達障害

 学童期にもなれば、自閉的傾向があっても、ある程度他人への関心が高まってきます。しかし適切な係わり方、距離の取り方が分からず、嫌がらせのような振る舞いも見られるようになります。周囲の大人は、児童の関わろうとする気持ちを尊重しながらも、正しい係わり方を丁寧に教えてあげられるとよいと思います。多動児は特にその行動が目立つ時期でもあります。集中すること、注意を向けることが難しく、情緒不安定な様子が現れます。自然に身付くはずのルールを理解できていない可能性が高く、周りの助けを得ながら、基本的ルールを覚えていくことになります。高学年になると、本人の意識も自分を客観視するようになり、多動児の行動が落ち着きを見せ始めます。しかし一部の多動児は中々衝動をコントロールすることが出来ず、大人びてくる同級生から嫌われ、虐められるケースも多発します。ですから周囲の大人がカバーすることが一層求められる時期なのですが、被害者の役割を押し付け過ぎないことも重要です。自分が同級生とは異なる存在であると認識させられると、自尊感情が弱まり、社会的関係を取り結ぶ意欲が薄れてしまうからです。並行して自信を持たせるような介入の仕方が、教員、保護者には求められるのです。特に、高機能自閉症、アスペルガー症候群の児童の教育、指導の際は、注意が必要です。
 学童期も終わりを迎えようとする時期、つまり思春期が近付き始める時期は、母子分離に向けて準備しなければなりません。準備するべき事柄は沢山ありますが、中でも社会の基本的なルールはきちんと教え込む必要があります。学童期と思春期とでは、責任の重さも変わります。周囲の許容範囲も狭まってきます。そうした環境に躓かないように、事前に訓練することが求められるのです。