思春期、青年期の発達障害

 健常者であっても、思春期の情緒は不安定になりますが、障害者は特に心をかき乱されるため、周囲のサポートが必要です。反抗心が強まることから、教員や保護者も扱いに苦労する時期ですが、許容範囲をきちんと認識させることだけは、忘れないようにしましょう。つまり社会の落伍者になりかねないような粗暴な振る舞い、犯罪等には、厳しく対応しなければなりません。時にパニック状態に陥ることもありますが、その際は臨機応変に対応し、落ち着いた時点で誤った行動の意味と、それに対する社会の評価がどのようなものであるかを、冷静に、威厳を高めて教える必要があります。
 青年期に入ると、思春期よりもさらに自立への希求が高まります。しかし発達障害者はそれと矛盾するかのような言動も目立ち、大きな葛藤を示します。これは母子分離が正常に進まなかったことに起因するもので、健常者に比べて思春期が長引いているとも解釈できます。そのストレスは周囲の想像以上に大きく、種々の心身症が目立つようになります。それらに対する理解も大切ですが、自立に向けたトレーニングも粘り強く行っていった方がよいでしょう。
ADHDの患者であれば、他の疾患に比べて、それほど周囲との軋轢は生まれないはずです。特有の症状は完全に消失していないのですが、自分を客観視して職業選択できる能力は持っているため、発達障害の中では自立できる可能性が高いのです。人によっては特定分野で健常者以上の能力を発揮し、のびのびと人生を謳歌している人も少なくありません。このようなケースでは、もはや周囲も障害者とは見做していないでしょう。自己中心性、衝動的な振る舞い、多動性、集中力の欠如といった特徴は、健常者にも多少は見られるため、許容範囲であれば、普通の社会生活を送ることが出来るのです。