ASDと呼ばれる新たな分類

 そもそも発達障害とは、幼少期から発現するもので、情報処理、制御の偏りが脳内で発生していると考えられています。基本的には本人や周囲の人が日常生活を送れないレベルであることが、診断の前提となります。苦手分野と得意分野の出来の差が健常者の比ではなく、そのために社会生活を営むことが困難である疾患であり、周囲の理解、サポートが求められるのです。
 発達障害をめぐっては、米国の精神医学会が定める診断統計マニュアルや、WHOの定義等により、その分類は変遷し続けています。最近ではASD(自閉スペクトラム)と呼ばれる新たな分類も注目されており、医療関係者、教育関係者の方は、仔細を学んでおくとよいと思います。分類基準としては、行動、認知の特性が中核になります。各疾患が分断されているわけではなく、症状が重複しているのも発達障害の特徴です。同じ人が複数の疾患を抱えていることもあるようです。ASDという概念の導入によって見取り図が変わりましたから、今から学ぼうとする人は、まず3つに大別できることを覚えておいて下さい。
 一つ目は、ASD(自閉スペクトラム症)です。一言で言えば、他人とのコミュニケーションを苦手とするグループです。冗談、比喩等をそれと認識できず、相手の気持ち、場の雰囲気を無視して、自分の関心事項をひたすら話し続けてしまうのが最大の特徴です。表情やジェスチャーを読み取ることもできないため、「空気を読めない人だ」と思われてしまいます。また、環境の変化を嫌い、予定通りに事が運ばなければ、強いストレスを感じます。好きな事には人一倍熱中できるのも特徴で、感覚器官の過敏性を活かし、特定分野を得意領域にすることもできます。